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【LuckyFes】7月23日WATER STAGEライブレポート~多種多様なアーティストが交錯する注目のステージが見せた1つの物語

強い日差しの下、蝉しぐれがどこからともなく響き渡り、噴き出してくる汗でTシャツがにじんでしまう気温の中、国営ひたち海浜公園にて初開催となったLuckyFes。たまに肌を優しく撫でる風が心地よく、良い1日になると予感させてくれた。入場ゲートを抜け、このフェスのモニュメント前で記念撮影をした後、まっすぐに進んでいくと見えてくるWATER STAGE。芝生に囲まれた段差を下ると、フラットゾーンがありその先にステージがあるから、様々な角度からライブを観ることが出来る、LuckyFesのメインステージだ。まずは初開催のフェスの雰囲気はどうなのか。どんな人たちが遊びにきているのか。お昼は何を食べようか。つい浮き足立って早めに着いてしまったが、会場にはすでに多くの人が訪れており、各々楽しんでいる様子が窺えた。折角なら、WATAR STAGEのオープニングアクトからじっくり観てみよう。そう高揚した気分のままに向かうことにした。

初日のトップバッター(オープニングアクト)を飾るのは、YouTubeを主戦場として活動しチャンネル登録者数は72万超えのマイキだ。圧倒的な歌唱力とドラムパフォーマンスを武器に活動している。そんなアーティストをオープニングアクトに採用するのも、LuckyFesの既成概念に縛られない自由な発想があってこそだったんじゃないだろうか。3曲だけの披露ではあったが、ついつい見入ってしまった。

マイキ

『マイキもう少し見たかったな・・・』そんな事を考えているのもつかの間。初開催&多様なジャンルがクロスオーバーするWATER STAGEには、転換のタイミングでお笑い芸人のオズワルドとアナウンサーがMCとして登場。そもそも、このフェスはROCK IN JAPANが千葉県へ移動し、茨城での巨大フェスがなくなってしまう。そんな時にLucky FMが救世主のように手を挙げ、開催したフェスであったことを、このフェスの総合プロデューサー堀がステージに上がって告げた。そしてお笑い芸人のオズワルドとアナウンサーがも負けじと会場を笑いに包む。そして、ついにトップバッターが登場する。

オメでたい頭でなによりは、ライブスタート前から音に合わせて足踏みをし、手を振るなどオーディエンスとは阿吽の呼吸の状態。そして「乾杯」からライブはスタートすると、オーディエンスは親指を立てたグーサインでバンドに応える。Vo.の赤飯は「Lucky Kilimanjaroの代わりにこの言葉を伝えます。ひたちなか、ただいま~!」と叫び会場を沸かせる。トップバッターで朝の早い時間にも関わらず、徐々にオーディエンスは増え始め、会場のボルテージも上がっていく。最後の曲「オメでたい頭でなにより」では、会場の全員がピースサインでバンドに応えていた。『最高の時間つくれよ!』そう告げて去っていった赤飯とバンドメンバーの姿が印象的だった。

オメでたい頭で何より

続くCreepy Nutsは、開始前からフロアは満員。最前列から後方で座って見ているオーディエンスまでが曲に合わせて手を振り、飛び跳ねてアーティストに応えるし、彼らも常に圧巻のライブで魅了した。HIP HOPシーン最前線からお茶の間へと上り詰めたCreepy Nuts。世代を超えて愛される理由がこのライブからみてとれたし、筆者も気がつくと体が勝手に踊っている。

Creepy Nuts

しかしそれにしても暑い。今日1日体力はもつのだろうか。少し心配しながらも待っていると、お馴染みのThe BeatlesのSEが流れてマカロニえんぴつが登場する。当然のように会場は満員。バンドのタオルを掲げるオーディエンスも多く、「ねえ、もう一度だけを何回もやろう、そういう運命でいよう」と耳心地のいいサビについつい口ずさんでしまいそうになりながら、ふと周りを見渡すと幸せそうに観ているオーディエンスが多く、なんとも爽やかで優しい空気が会場を包み込んでいた。

マカロニえんぴつ

WATER STAGEは転換やMCの時間もあるため、全て観たいと欲張りな筆者は急いで昼休憩を挟みエネルギーチャージをして戻ってくると、ちょうどNovelbrightが始まるタイミングだった。6月末に武道館公演をソールドさせて今まさに勢いが止まらない彼らの曲と竹中の歌唱力には、グッと引き込まれてしまう魅力がある。SNSから世間に広がっていったバンドではあるが、「CDもサブスクもいいけど、ライブが1番いいってこと証明していきます!」と宣言し、本当にカッコいいライブをしてステージを去っていった。とにかく余韻が残り、音源だけじゃないライブの魅力を再確認させてくれたのだ。

Novelbright

ふと時計を見ると時刻は3時。少しだけ暑さは和らぎ風が心地よくなってきたが、オーディエンスのボルテージが下がることはない。軽快なステップでステージに登場したSKY-HIは、力強い声と高速ラップでオーディエンスの心を掴んでいく。ステージには、DJだけでなくギターとドラムも登場し、バンドに引けをとらない存在感を放っていたのが印象的だった。それにステージ中心のスクリーンとリンクしたパフォーマンスなど、ベテランラッパーとしてのスキルをふんだんに落とし込んだライブで、オーディエンスも飛び跳ね手を振り存分に楽しんでいた。

SKY-HI

気づけば残りはもう3バンドだけ。さあ、ここからはラウドロック勢のお出ましだ。サイレンが鳴り響くとSiMがステージに登場する。悪魔のような雰囲気をまとったSiMのオーラは、このステージではさらに際立って見えた。「GUNSHOT」では後方まで満員のオーディエンスが、モンキーダンスで踊り狂う。遠目に観ていたがまさに圧巻。SiMのライブで欠かせないのが、MAH(Vo.)のその土地やフェスへの愛のあるディスで、毎回笑いを誘うこのMC。「ROCK IN JAPANよりも盛り上げようという気合を感じてます。でもマジどーでも良くないですか?別れた恋人引きずってるみたいな。捨てられたんです、君たちは(笑)。単純に茨城に新しいフェスが生まれたと思ってます!過去は捨てて踏み潰して前に進みましょう!」と会場を沸かせる。そして、『進撃の巨人』The Final Season Part 2の主題歌として世界的大ヒットを飛ばした「The Rumbling」では、オーディエンスが一体となってヘドバンをしている光景が凄まじく、この日1番のヘドバンを拝めることができた。

SiM

そんなこんなで、「やっぱりSiM最高だな~」なんて観ていると、突然の雷警報で一旦ライブは中止となってしまう。雨宿りをしているとMAN WITH A MISSIONのライブからスタートするとのことで、タイミングを見計らって雨の中WATER STAGEへ戻ると、どこからこんなに集まったんだ!?と驚くほどの人数が集まっている。雷で一時的に中止になろうと、SiMやその前のバンドが灯したオーディエンスの炎は消えてなかった!いやそれどころか、むしろ強まっていた。「ヤレルカ人間共!カカッテコイ!」とJean-Ken Johnnyが煽ると、「Emotions」でさらに気持ちがアツく燃え上がる。そして「Fly Again」では、オーディエンスとバンドは腕を左右に振り会場が完全に一体となった。その光景が前から後ろ、右から左までブワッと広がるのだからそれはそれは絶景!『やはりこのバンドはフェスには欠かせない!』なんて心の声がオーディエンスから聞こえてきた気がする。

MAN WITH A MISSION

そして大トリは待ちに待ったBRAHMAN。未だに雨は止まず、それどころか土砂降りだ。「困ったな……。でもここまできたら、ずぶ濡れだろうが何がなんでも観て帰りたい!』という気持ちが勝り、最後まで見届けることにした。そんな使命感をもったオーディエンスが会場には大勢待ち構えていた。コロナ禍になってからBRAHMANのライブのスタイルは、演出を加えて魅せるライブとしても進化している。スクリーンの映像とリンクさせたライブパフォーマンスが始まると、オーディエンスも拳を突き上げてそれに応える。スクリーンの雨の映像とステージに打ち付ける雨は不意に重なり、なんともクールな空間が出来上がっていた。

「突き進むのは今!今!今!雨降る今!」とTOSHI-LOWが叫び、雨なんて一切気にしないパフォーマンスには問答無用で胸をアツくさせられた。茨城はTOSHI-LOWの地元でもあり、「オレたちみたいなバンドでも、ふるさとに貢献できるんだ」と故郷への想いを伝えて「満月の夜」へ。

ステージには火が灯り、雨に打たれて冷えてきた体も暖かくするような演出のなか、MAN WITH A MISSIONのTokyo TanakaとJean-Ken Johnnyがステージに乱入!ラストは「真善美」をアカペラで披露すると、「俺たちは色んなことを見てきた。終わっては始まっていく。他のフェスだってバンドだって不手際ばっかだったし、このフェスに言いたいことはたくさんあるだろう。だったらあんたがやんな。立場は関係ねえよ。始めなかったら失敗はねえ。だけど成功も経験も何もない。俺たちだって雨は降ってほしくないけど、雨が降らないと虹は見えない」と、自身の想いをブチまけマイクをステージに叩きつけて、潔く去っていった。

BRAHMAN

あぁ、当分は余韻に浸っていられるだろう。そう感じながら帰ろうとしていると、ドン!という大きな音と共に絢爛な花火が数分に渡って空を舞った。思えばラッパーからバンドに、YouTube発のアーティストやお笑い芸人のMCまでが1ステージに集結したわけだ。初開催のLuckyFesとはどんなフェスなのかの答えが、1日WATER STAGEを見ていたら明確になった気がする。もはや気にも留めていなかったが土砂降りだった雨も弱まってきた。来場したお客さんに出演アーティスト、そして運営スタッフまで全員を祝福するかのように打ち上がる花火を眺めながら、贅沢な時間を味わえたことへの幸福感で胸はいっぱいだった。

(取材・文:戸谷祐貴/撮影:清水ケンシロウ)

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