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【LuckyFes】7月24日WATER STAGEライブレポート

LuckyFes2日目もまさにフェス日和と言える晴天が国営ひたち海浜公園を覆いつくした。会場では開演前のBGMとして初日の出演アーティストの楽曲が流れ、余韻に浸りながらも2日目の開演を楽しみに待っていた人も多いだろう。

メインステージとなるWATERステージのオープニング・アクトを務めたのはクレンチ&ブリスタ。8人のフレッシュなダンサーを連れて入場すると、DJ CHARIが放つ“D.N.D.K”のファンキーなビートで開幕。“LTR Express 2008系”ではClenchとMr.Blistahの2MCがまくし立てるリリックとエアホーンの応酬で観客を焚きつけた。終盤には「R&B界の重鎮」と紹介したHI-Dが登場し、まずはSugar Soul“Garden”をカバーしてフロアがめいっぱいのハンドクラップで応えると、ラストは“真夏のMemory…2022 feat.HI-D”でラッキーフェス2日目の幕開けを祝した。

クレンチ&ブリスタ

WATERステージのトップバッターはラッパー・心之助。自身の名前が刻まれたバックドロップを背にオープニングナンバーとして放たれた“Blue Spring”では早くもフロアをバウンスさせる。いつまでも青春を忘れない心之助らしい登場曲に続き「調子はどうですかー!」と叫ぶと最新曲“SAIL AWAY”をワンコーラス披露したかと思えば、間髪入れずに“507”でフロアを温めていく。

心之助

「ここにいる一生懸命今を生きているヤツらへ、そして昔のしんどい時期頑張ってた自分自身に送ります」と告げて“太陽の空”のイントロが流れると、フロアから思わず歓声が上がる。8年前とある野外フェスの出店でクラムチャウダーを売っていた経験を吐露し、そんな悔しい過去を吹き飛ばすように「おまえは今日ステージに立って歌ってるぞー!」と叫ぶ心之助の姿に、涙ぐむような仕草を見せる観客の女の子がいた。「奥さんのために書いた曲を2曲」と語って届けられた“365日”と“happy end”ではステージとフロアの距離感をぐっと近づける。そして“最後から二番目のLove Song”では別れによって新たな出会いがあった自身の経験を明かし、「最後にエンジンかけ直したい」と“雲の上”へ。心之助が相棒に捧げたこの楽曲を、各々の形でしっかりと受け止めてハンズアップで応えた観客の姿が眩しかった。「今日はありがとう!心之助でしたー!愛してるぜ!」と告げてステージをあとにした。

ファンファーレSEでWATERステージに登場したのはMicro from Def Tech。“Surf Me To The Ocean”のイントロが流れた瞬間、ひたちなかは南国のビーチに様変わり。続くはShu Dosoと始動した新プロジェクト「WST」名義で発表した“Offshore”。アコースティックギターからつま弾かれる心地よい音色と波風の相性がバツグン。ここで「水分補給するように」と言わんばかりにステージドリンクのペットボトルをフロアに何本か投げ入れるMicro。

そして「Everybody, let’s do it.」とささやいて放たれたのは“My Way”冒頭のあのフレーズだ。「Def Tech Micro! Lucky Fes! Let’s do this shit!」と力強くマイクに込めると、観客は思い思いの感情を乗せたオールハンズアップで応えた。演奏後、「One more song, yeah」と告げて奏でられた“Catch The Wave”冒頭のイントロには思わず歓声を上げるフロア。ビジョンにはボサノヴァ調にアレンジされた楽曲を後押しするような波の映像が映し出され、《Catch the wave/感じて その手を合わせて》の歌詞に合わせて大きな身振り手振りを見せるMicro。夫婦だろうかカップルだろうか、近くにいた男女2人が肩を組んでリズムに乗る様子が美しかった。

Micro from Def Tech

MCではフロアの4歳の子どもに語りかけたりと自由な立ち振る舞いで、「本当に楽しもう!LuckyFes Day 2!」と呼びかけると、THE BLUE HEARTS“青空”をカバー。前日のゲリラ豪雨は去り雲がほとんどない晴天の漂うこの日のための選曲は実に粋な演出。世界平和を願って「音楽や映画やスポーツ、文化の力でもう一度取り戻さなきゃいけないんだな……って思うのである!」とコミカルに思いを述べると、“Yukiyanagi 雪柳〜We’re watching you〜”ではビジョンに雪が降り感傷的な雰囲気に。

最後のMCで、今度はDef Techとして戻ってくることを約束したMicroは「まじ夏しようぜ!ここから」という号令からSUPER BUTTER DOG“サヨナラCOLOR”をカバー。《本当のことが 見えてるなら/その思いを 僕に見せて》と1人ひとりに目をやるようにじっくりと歌い上げ、深々と一礼。フロアに向けて拍手でたたえた。

WATERステージ3番手はyama。もはやおなじみと言っていいだろう、白パーカーに白パンツ、アイマスクを付けた装いでSEなしに静かに入場。“a.m.3:21”で開演すると、ステージを左右に歩きながらポエティックに歌詞を紡いでいく。「yamaです。今日は楽しみましょう!」を少し噛んでしまうハプニングもあったが、続く“春を告げる”では日頃リスナーとして聴いているのであろう観客たちのうれしそうな表情が浮かんでいた。PCやスマートフォン上で高い再生数を記録した代表曲も、炎天下のフェスでバンドの生演奏によって鳴らされることで、また新たな存在感を放っていた。ファンキーなブラスサウンドが印象的な“桃源郷”では、ラストの転調も相まって、yamaの生身の歌声を存分に堪能することができた。

yama

続くMCでは、8月31日発売の2ndアルバムに収録される、Vaundyがプロデュースした新曲“くびったけ”について話し始めた。「とてもエネルギッシュでグルーヴがあって、今までのyamaの楽曲にはないような熱のある楽曲」と語るように、どこか懐かしい普遍的なサウンドで観客を魅了した。そこから一呼吸置いて“麻痺”を投下。パープルやオレンジのパキッとしたLEDに照らされながら、中毒性の高いオケに乗るyamaの歌声はたくましくも繊細で、その表現力の一端を垣間見ることができた。

最後のMCでは、活動をする上で同日出演のALIやTOOBOEに助けられたエピソードを紹介し、「ちゃんと言葉で伝えよう。みんなと一緒に楽しもう」という思いから最近MCをするようになったと説明。ツアーの開催予定について告げた流れで「みんなの時間をください。自分と一緒に共有させてください。どうかまたお会いできる日を楽しみにしています」と思いを述べ“世界は美しいはずなんだ”へ。この日のラインナップからして異色の存在だったと言えるがなんのその、代えのきかないyamaの歌声とメッセージをしっかりと届けてくれた。

WATERステージも折り返し地点、バンドメンバーのイントロダクション的なセッションに乗せて陽気に登場したのはSIRUP。やや気だるそうにまくし立てる“Pool”のシンセリフで日差しも忘れるほどに体を揺らすフロア。“Need You Bad”では、アーバンなコード進行を支えるシンセベースに誘われるように時折涼しい風が吹いてくるのが気持ちよく、ラストの転調でより一層身にしみた。続く“LOOP” “Keep In Touch”では舌ざわりのいい英詞と日本語が交わった響きに、暑さもあってトリップするような感覚をおぼえた。

SIRUP

MCでは「改めてSIRUPです!」と名乗ると、「そっち側でいたいな」とフェスを愛するミュージックラバーとしての思いをこぼす場面も。ここからはキラーチューンをノンストップで。“Superpower”で音楽の持つ力を一挙手一投足で体現すると、“SWIM”にかけてフロア前方はもちろん日陰ゾーンで座って観ている観客もハンドクラップやハンズアップで思い思いのノリ方をしている。「ここにいるみんなとスタッフのみなさんで、今日は最高のフェスをやっていこうぜー!」と叫んで“Do Well”に移ると、観客のボルテージは最高潮に。歌詞を引用すると、《気づけば一人きりのDance hall/踊り続けていれば先頭/楽しんだもの勝ちさ Take off!》はまさにこの日SIRUPが届けたかったメッセージだったように思う。最後までなりふり構わず踊り続けたSIRUPのステージは、爆発音のようなエフェクトでセンセーショナルに幕を閉じた。

続いて登場したのはDOBERMAN INFINITY。開演前からステージ前に待機していた多くの観客の期待に応えるように、4MC+1Voスタイルでド頭にぶち込んだのは“SO WHAT”。昼間の暑さは落ち着いてきたものの、のっけから「手を上げろ!」と容赦ないドーベルの面々。続く“JUMP AROUND ∞”では《JUMP! JUMP!》と観客と一体になって跳びはねる。

DOBERMAN INFINITY

MCではかけつけてくれた観客に向けて「よく来てくれた!」とねぎらい、水分補給をしっかり取るようにと気遣う場面も(1VoのKAZUKIが上下黒のレザー衣装だったため特に水分補給を取るようにからかわれていた)。アルバム『LOST+FOUND』リリース後の初ライブということで、「一緒に夏しましょう!いいですか、みなさん!」とSWAYが呼びかけると“Backstage Freestyle”へ。高速ラップをかました“I am Who I am”ではDJ HALによるスクラッチプレイも炸裂。「ひとつになりましょう」とドロップされた“FLAMMABLE”では、タオルを振り回したり左右に振ったりしながらサマーチューンさながらの盛り上がりを見せ、ノリのいいリズムに楽しそうに走り回る子どもたちもいた。そして夏のもうひとつの表情を見せてくれたのは“夏化粧”、誰しもが感じてきたであろう夏の刹那をしっとりと歌い上げた。

最後のMC、ツアー告知でツアー日程に茨城が含まれていないため茨城のイベンターの方に茨城公演の追加をお願いし笑いを誘う一幕を挟みつつ、「今日はありがとうございました!」と感謝を述べて“We are the one”へ。パーティータイムの最後にステージもフロアも境界線なくひとつになった瞬間だった。

日が沈みかけた頃、ラッキーフェスはまだまだ終わらないと言わんばかりにWATERステージに颯爽と登場したのは、髪を赤く染め上げたMIYAVI。高速ドラムビートに乗せて“Need for Speed”で口火を切ると、ハンドクラップで応える観客に「Are you ready? ひたちなか!」と投げかけ、続く“Horizon”では冒頭から4つ打ちリズムのジャンプでひたちなかの地を揺らしていく。

MIYAVI

MCではバンドメンバーを紹介し、「久しぶりにここ茨城で演奏することができて本当にうれしく思っています。ありがとうございます!」と感謝を伝えた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使としても活動するMIYAVIの世界情勢への憂いの言葉とともに、「明日が来るとさえ信じられれば長い夜も越えられる――そんなパワーをメッセージにした楽曲です」と告げて“Long Nights”へ。出番を終えたばかりのSWAYをスペシャルゲストに迎え、スケールの大きなコーラスワークが光るこの曲を、目の前の1人ひとりに語りかけるように届けた。

高速スラッピングで沸かせた“WHAT’S MY NAME?”ではヘッドバンギングが巻き起こり、“Fire Bird”“No Sleep Till Tokyo”とビートを変えながらノリを演出。「世界に届けましょう!C’mon!」とひたちなかから海を超えて世界へ音楽を放っている姿が印象的だった。ラストは“Day 1”、トリコロールカラーのLEDを浴びながらノンストップで弾き倒すMIYAVI。終盤、観客をしゃがませて一斉にジャンプさせる一幕もありつつ演奏を終えると、天を仰いで投げキッス、そのあと一礼してステージを去った。

初開催のラッキーフェス、2日間の大トリを務めるのはALI。“仁義なき戦いのテーマ”のフレーズで咆哮をあげ、照明がステージを赤一色に染めたところで、ベージュのセットアップを身に纏ったLEO(Vo)が「はじめましての方も、そうでない方も、最後、最高の時間を一緒に作りましょう。ALI、始めます!」と開幕宣言。フロントのCÉSAR(Gt)、LUTHFI(Ba)がサイドステップを見せた“I Want A Chance For Romance”でメロウに始まったショウは、“SHOW TIME feat. AKLO”で一気に熱を帯びていく。タイムテーブルで「ALI + CrossOver Finale」と銘打たれていたことにも納得のグルーヴ感そのままに“FEELIN’GOOD feat. KAZUO, IMANI”へ。バイリンガルラッパー・KAZUOとフィメールラッパー・IMANIがまくし立てる芯の通ったライミングに、負けじと応戦する中間部のトランペットソロ。続く“KEEP YOUR HEAD UP feat. KAZUO”のビートに移ると、「How are you feeling good? Lucky Fes!!」とフロアに呼びかけるLEO。すっかり日の沈んだ夜のひたちなかがたちまちダンスホールと化していく非現実的で開放的な空間。引き続きトランペット、トロンボーン、サキソフォーンの超絶ホーンセクションで高揚感をファンキーに演出しつつ、タップダンスばりのステップを見せるLEOとKAZUOの言葉のキャッチボールがなんとも楽しそうだ。

ALI+CrossOver Finale

ここで一転、サキソフォーンの聞きなじみのあるフレーズを背にLEOが「おれが初めてバンドのCDを買ったのはハイスタのこの曲で、おれたち初めての大トリなんですけど、やってもいいっすかね?」と問いかけて“Can’t Help Falling In Love”をカバー。「ここまで連れてきてくれてありがとう」と感謝を告げるLEOの、今まさに1つの夢を叶えようとする男の背中を見て胸が熱くなった。エルヴィス・プレスリーの往年の名曲をメロディックパンクバンドとして軽快にカバーしたのがHi-STANDARDだが、ALIのこの日のカバーはその両者ともまた違うボサノヴァ調のアレンジ。ラストは夢の時間を噛み締めるかのようにたっぷりとした節回しで声を振り絞っていた。

ステージは再びダンスホールの装い。浮遊感が漂う不穏なキーボードのモチーフが奏でられると、「NEXT GUEST! J-REXXX!!」と迎え入れ“DESPERADO feat. J-REXXX”へ。イエローのTシャツに黒のレザーパンツでキメたJ-REXXXが丁寧に一礼しステージイン、落ち着いた口調でリリックを語り始めたが、「ラッキーフェス!ぶち上がろうぜ!」とLEOが吠えると、感化されたJ-REXXXもリミッター解除でステージを左右に動き回りフロアをあおるステージング。続く“FIGHT DUB CLUB feat. J-REXXX”ではKAZUOも再びステージへ。《Fly Away oba oba》のサビでタオルを振り回しフロアと一体に。バンドとラッパーが入り乱れ、これぞコラボレーションから起こる化学反応の真骨頂を見せつけられた。KAZUO「ありがとうございまーす!」、J-REXXX「愛してるぜ!」と惜しみながら別れを告げると、“LOST IN PARADISE feat. AKLO”へ。ALIの知名度を押し上げた代表曲で、ラストはマイクを強く握りしめながらひざまずき、全身全霊で絶唱するLEO。「AKLOに拍手を!」と呼びかけフロアの拍手喝采でたたえた。

ここでスペシャルゲストのMIYAVIをステージに呼び込み、演奏されたのはThe Beginning Of The Endの名曲“Funky Nassau”。大所帯バンドの各セクションにスポットが当たる、グランドフィナーレにはこれ以上ない選曲だが、今日はそこにMIYAVIのエレキギターによる即興ソロプレイが加わるのだから感情が昂るのは言うまでもない。バックスクリーンには黒背景にALIが掲げる「LOVE, MUSIC AND DANCE / 愛、音楽と踊り」の文字。GREEN STAGE、LUCKY STAGEを観終わって合流した観客も巻き込んで、ただ一心に音楽を感じられる喜びを再確認できた。そんな極上の音楽体験を象徴するかのように、ラストにLEOが「音楽バンザイ!」「LuckyFesありがとう!」と叫んで幕を閉じた。

2日間の最後を締めくくるのは、初日に続きDJ DRAGON & Beauty Nosie Tokyoの手がけるダンスミュージックに乗せて花火が打ちあがる「JX金属 presents “Lucky Music Star Light Show”」。様々な大きさで色とりどりの花火に、2日間の思い出を重ね合わせる。2022年夏、LuckyFesが「茨城のフェス文化の灯を消すな!」を合言葉に、夏の新たな風物詩として産声を上げたことを改めて確信した瞬間だった。

(取材・文:栄谷悠紀/撮影:清水ケンシロウ)

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