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【LuckyFes】7月23日GREEN STAGEライブレポート

空が青く晴れわたり、日差しが照りつける中で始まった、記念すべき第1回『LuckyFM Green Festival』。新たなフェスの幕開けとあって、会場内はどこもかしこもいい活気とワクワク感に満ちている。オフィシャルの発表によると、初日の来場者は13000人を記録した。

ロックバンドのみならず、地元・茨城にゆかりのあるミュージシャン、ヒップホップのMCやDJ、ボカロP、声優シンガーなどなど、多種多様な出演アーティストが見どころの『LuckyFes』だが、森の中のコテージをテーマにしたGREEN STAGEの初日にはレジェンドも顔を揃え、世代を超えて誰もが音楽を楽しめるラインナップとなっていた。

まずは、イケメンホストで構成されたKGプロデュース発のボーイズグループ、KG9が緑豊かなステージのオープニングアクトを担い、唯一の持ち曲「Higher Higher」を全力で披露。ホストらしい甘く煌びやかな歌声、たけのこニョッキゲームから着想を得たというキャッチーなダンスで場を温める。

KG9

当日のスケジュール調整で急遽トップバッターになったのは、結成30年を超える沖縄発のDIAMANTES。登場するなり「VIVA!!夏の色」「CEBADA」と、情熱的なボーカルやブラスサウンドが映えた“オキナワ・ラティーナ”を快活に鳴らし、炎天下のGREEN STAGEを瞬く間に南国の楽園へと変えてみせた。陽のグルーヴにつられて、聴く側も自然と身体が動き出す。随所で入るスペイン語の心地よい響き、癒しの音色を届けるフルート、パーカッションを叩きながら歌うアルベルト城間の躍動感など、さすがのパフォーマンス。“生きてる喜び感じよう!”と促す「勝利のうた」で手をワイパーさせて楽しく踊るオーディエンスの姿に、早くも『LuckyFes』の成功を見た気がした。

DIAMANTES

レジェント級の女性ソロアーティストが続けて登場した昼過ぎのGREEN STAGE。ロックボーカリストとして確固たる地位を築いた相川七瀬の人気は凄まじく、1曲目「LIKE A HARD RAIN」のイントロからすでに大盛り上がりだ。「嫁に行ったのが茨城なので、第2の故郷として大事に思っています」と話し、バックを支えるドラマーが弱冠14歳の彼女の次男・RIO(フルステージ出演は『LuckyFes』が初!)であることを明かしてどよめきが起こるシーンも。世代を超えた親子共演を実現させつつ、灼熱のタオル回しで燃えた「Sweet Emotion」など、全曲シングルのセットリストで観客を喜ばせ、極めつきは「夢見る少女じゃいられない」。本格デビューを飾った息子に、パワフルなシャウトで未だ現役の背中を見せる相川はとんでもなくかっこよかった。

相川七瀬

近年のシティポップリバイバルで再評価が高まる杏里のステージにも、たくさんのお客さんが詰めかけた。のっけから「WINDY SUMMER」をはじめ、暑い夏にこそ聴きたいサマーチューンの数々をセレクト。鉄壁のバンドとともに、グローバルな質感を湛えたサウンドやしなやかな歌唱で彩っていくさまは、うっとりするほど味わい深くて華がある。「なんだか懐かしい風景です」とひさびさの野外フェスを喜び、「Last Summer Whisper」は後輩のNagie Laneを迎え、彼らのアカペラによる1コーラス+コラボ編成で届けた。鈴木明男のサックスも唸る「悲しみがとまらない」、アニソンとポップスの融合の先駆けと言える「CAT’S EYE」など、後半はヒット曲を連発。気持ちいい風が吹き始めた中での「オリビアを聴きながら」は、オーディエンスにとって忘れられない記憶となったに違いない。

杏里

さらに、相川七瀬とほぼ同期のPUFFYが盛り上がりを加速させる。スピッツ・草野マサムネ作の「愛のしるし」では、大貫亜美と吉村由美の動きに合わせて、いっぱいのオーディエンスがあのキュートな振付をコピー。そんなピースフルな空間が、2人のやさしいハーモニーが、コロナ禍で忘れていたフェスのワクワクを思い出させてくれて、意外なところでつい涙腺が緩んでしまった。「夏は苦手だけど、いざライブをやると楽しいんです」と語り、新曲「Pathfinder」でも存在感を示したあとは、日陰が程よく増えたGREEN STAGEの心地よさをより“いい感じ”に高めた「これが私の生きる道」、夏の奔放ムードを演出する「渚にまつわるエトセトラ」、無敵のツインボーカルが最大級に輝く「アジアの純真」を畳みかけ。たくさんの人を幸せにできるヒット曲って本当に素晴らしい。

PUFFY

そして、16時30分からはPUFFYと同じくポップアイコン的な魅力を持つRIP SLYME……の予定だったのだが、彼らの本番直前に“会場に落雷警報が出ている”というまさかの緊急アナウンスが流れ、全ステージのライブがいったん中断となる事態に。森やテントが危険なため、観客たちはGREEN STAGEを離れて安全地帯へと避難。その後、幸いにも落雷こそなかったものの、みるみるうちに空は暗くなり、やがて叩きつけるような豪雨が発生したので、早めにリスクを察知して被害を最小限に抑えた運営側の迅速な対応は見事だったと思う。

ライブが再開できたのは18時。警報は解除されるも、かなりの雨がまだ降っていた。それでもGREEN STAGE前には多くの人が集まってくれたとあれば、RIP SLYMEも奮い立たずにはいられない。RYO-ZとILMARIに加え、WISEを迎えた3MCで繰り出す「楽園ベイベー」からDJ FUMIYAの洒脱なトラックに乗って果敢に攻め、悪天候に打ってつけのワイパーでオーディエンスと一体化。新体制のスタートを告げた「Human Nature」の“どうにだってなるぜ”も、この日のために作ったかのような「After the Rain」も、苦境をおいしく変えていてすごい。途中からはフレンズ(『LuckyFes』参加者の愛称と同名!)のおかもとえみが入った4MC編成でさらに勢いを増し、「JOINT」では「Tシャツでもブラでも帽子でもタオルでもいいから振り回そうぜ!」と大爆発。遅延でベストな時間にハマった「熱帯夜」までパーフェクトだった。

RIP SLYME

「開催できてよかったというか、再開できてよかった! 僕らのライブはiPod nanoで音を出してるので、もし危なくなったらボタンを押せばすぐに止められます。音が鳴っている限りは安全だと思って楽しんでください」と鬼龍院翔が笑いを取り、喜矢武豊のギターからはてるてる坊主が粋に飛び出す。豪雨が降り注いでいようが、ゴールデンボンバーのエンタメ精神は怯むことを知らない。むしろ、いつも以上にふざけ倒す感じが最高で、MCでの前フリを経て、「抱きしめてシュヴァルツ」の間奏では喜矢武がメロンに納豆をかけて茨城名物をまとめ爆食い。ウーバーイーツの配達員に扮した樽美酒研二が自転車で現れてはリュック内の尻を晒す下ネタ“ウーバーケーツ”をブッ込むなど、金爆のレポはとにかく文字数を使う。

一方で、「夏フェスは2019年の『ロック・イン・ジャパン』以来なんですよ」と出演の喜びを嬉しそうに伝えるキリショーの言葉が沁みたりも。「元カレ殺ス」「首が痛い」で狂乱のヘドバンを誘い、締めはもちろんJ-POP史に残る名曲である安定の「女々しくて」。おなじみの振付で大いに踊らせて場を支配する、このゴキゲン極まりないパワーはやはり唯一無二でしかない。

ゴールデンボンバー

『LuckyFes』初日もいよいよ大詰めの20時。激しい雨の中、GREEN STAGEのトリを飾る石井竜也が登場。1曲目「FLYING HEART」からバンドの柔らかな演奏に乗せて、衰え知らずの伸びやかなボーカルを心地よく響かせる。「ここまで来たら、もう楽しむだけでしょ。ずぶ濡れになりながら待っててくれたんだもんね? 本当に偉いって! 帰った奴らはバカだねー。いいもの見逃しちゃって」と話したあとは、米米CLUBのメガヒット曲「君がいるだけで」を披露。辺りが一瞬で手拍子&ハッピーなムードに包まれ、待っていたオーディエンスに最高のプレゼントとなった。

そして、待っていてくれたのは、次にスペシャルゲストとして招かれた杏里も同じ。石井と杏里が届けたデュエット曲「THE WAVE OF LOVE feat.ANRI」は、2010年にリリースされるも、翌年に起こった東日本大震災の津波被害のため、テレビやラジオでのオンエアの機会などが少なくなって悔しい想いをしたという経緯もあり、両者にとってもファンにとっても念願のステージ。時に見つめ合って歌う2人の贅沢なハーモニー、大人のスウィートなサマーチューンが疲れた身体を潤す、レジェンド同士のたまらないコラボだった。

石井竜也

残ってくれた人たちへのサプライズは続き、映画『天空の城ラピュタ』の主題歌「君をのせて」に新たな視点で詞を付けたアンサーソング「君をつれて」では、あの壮大かつ崇高なメロディを悠々と歌い、「いろんなことがあるけど、みんな元気で生きていこうなー!」「雨よ、コロナを洗い流してくれ!」と懇願するように叫ぶ場面も。さらに「これを歌わないと俺じゃない」と米米の「浪漫飛行」を投下し、全体のパッションをまたグッと上げ、エンターテイナーとしての生きざまを見せつける。こうした逆境においても、ヒット曲のときめきは効くのだと改めて実感。

最後はB.LEAGUE・茨城ロボッツのダンスチームのRDTを呼び込み、ファンキーかつセクシーなダンスナンバー「HI TENSION LOVE」で圧倒。雨を吹き飛ばすくらいのまさにハイテンションなチアダンスとともにノリノリで聴かせるという、茨城出身の石井による地元愛あふれるコラボで大団円を迎えた。

照りつける灼熱の太陽、落雷警報を受けての中断、雨のあとに架かった虹、その後の土砂降り……いろいろあった『LuckyFes』の初日だが、天候の急変を含めて、夏フェスの醍醐味、この日限りのドラマがてんこ盛りの一日だったのではないかと思う。終演後、雨の中でどうにか打ち上げられた花火も美しかった。

(取材・文:田山雄士/撮影:千田俊明)

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